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入試数学を自由に解く(医科歯科大2013年第1問)
注意事項

このカテゴリ「入試数学」は, 指導要領にとらわれず, 自由に入試数学を解いてみよう
というカテゴリです.
入試で使えるような補足も入れていくつもりです.
高校の課程の範囲で解いたほうが優しい,
そのまま解答として使ったら満点はもらえない可能性が高い,
などの欠点があります.
高校生の範囲で書ける答案は既に世の中に氾濫しているので, そちらを参照してください.

また, この記事の内容を利用したことによる弊害等に対する責任は一切負いません.
無断転載はもちろん禁止です.
間違いやご意見, このカテゴリで取り上げて欲しい問題等がありましたら教えてください.

このサイトの数式は, MathJaxを用いて表示しています.
携帯電話などでの閲覧で, LaTeXのソースの形で表示される場合は,
PCなどを用いて御覧ください.



さて, 本文です.

今回扱うのは医科歯科大2013年度入試の第1問です.
誘導が丁寧ですね.
有名なCauchy-Schwarzの不等式を使って楽に解きましょう.
Cauchy-Schwarzの不等式についてはWikipediaでも見れば良いと思いますが,
不満な人は, 最後に参考書を挙げておくので, そちらを御覧ください.


問題(医科歯科大理系2013年度入試第1問)


以下の各問いに答えよ.

(1) 実数 $\alpha , \beta$ が $0 < \alpha < \frac{\pi}{2}$, $0 < \beta < \frac{\pi}{2}$, $\tan \alpha \tan \beta = 1$ を満たすとき, $\alpha + \beta $の値を求めよ.

(2) 実数 $\alpha , \beta , \gamma$ が $0 < \alpha < \frac{\pi}{2}$, $0 < \beta < \frac{\pi}{2}$,
$0 < \gamma < \frac{\pi}{2}$, $\alpha + \beta + \gamma = \frac{\pi}{2}$ を満たすとき,
\[
\tan \alpha \tan \beta + \tan \beta \tan \gamma + \tan \gamma \tan \alpha
\]
の値は一定であることを示せ.

(3) 実数 $\alpha , \beta , \gamma$ が $0 < \alpha < \frac{\pi}{2}$, $0 < \beta < \frac{\pi}{2}$,
$0 < \gamma < \frac{\pi}{2}$, $\alpha + \beta + \gamma = \frac{\pi}{2}$ を満たすとき,
\[ \tan \alpha + \tan \beta + \tan \gamma \]
のとりうる値の範囲を求めよ.


解答

(1)
$\tan \alpha\tan \beta = 1$ より $\cos \alpha \cos \beta = \sin \alpha \sin \beta$ だから,
$\cos (\alpha + \beta) = \cos \alpha \cos \beta - \sin \alpha \cos \beta = 0$ である.
よって, $0 < \alpha + \beta < \pi$ より, $\alpha + \beta = \frac{\pi}{2}$ である.

(2)
$\alpha + \beta + \gamma = \frac{\pi}{2}$だから,
\begin{align*}
0 &= \cos (\alpha + \beta + \gamma) \\
&= \cos (\alpha + \beta) \cos \gamma - \sin (\alpha + \beta) \sin \gamma \\
&= \cos \alpha \cos \beta \cos \gamma - \sin \alpha \sin \beta \cos \gamma - \sin \alpha \cos \beta \sin \gamma - \cos \alpha \sin \beta \sin \gamma \\
&= \cos \alpha \cos \beta \cos \gamma (1 - \tan \alpha \tan \beta - \tan \alpha \tan \gamma - \tan \beta \tan \gamma)
\end{align*}
である. $\cos \alpha \cos \beta \cos \gamma > 0$ だから,
\[ \tan \alpha \tan \beta + \tan \beta \tan \gamma + \tan \gamma \tan \alpha = 1 \]
である. よって, 一定である.

(3)
Cauchy-Schwarzの不等式より,
\[ (\tan^{2} \alpha + \tan^{2} \beta + \tan^{2} \gamma)(\tan^{2} \beta + \tan^{2} \gamma + \tan^{2} \alpha) \\ \geq (\tan \alpha \tan \beta + \tan \beta \tan \gamma + \tan \gamma \tan \alpha)^{2} \]
である. 等号は $\alpha = \beta = \gamma$のときに成り立つ.
よって, (2)も用いると,
\begin{align*}
&\; (\tan \alpha + \tan \beta + \tan \gamma)^{2} \\
=& \tan^{2} \alpha + \tan^{2} \beta + \tan^{2} \gamma + 2 (\tan \alpha \tan \beta + \tan \beta \tan \gamma + \tan \gamma \tan \alpha) \\
\geq & 3 (\tan \alpha \tan \beta + \tan \beta \tan \gamma + \tan \gamma \tan \alpha) \\
=& 3
\end{align*}
となる. また, 任意の $M>0$ に対して $\theta > 0$ を十分小さくとることで,
$\tan (\frac{\pi}{2} - 2\theta) > M$ を満たすようにできるので,
\[ \tan \alpha + \tan \beta + \tan \gamma \geq \sqrt{3} \]
である.


解答終わり



Cauchy-Schwarzの不等式は線形代数の本ならば書いてない本は無いと思いますが,
どういう本を見たら良いのかわからないという方向けにいくつか挙げておきます.

・ 高校の復習から線形代数の幅広い応用先まで触れている本

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著者 : 長谷川 浩司
書名 : 線型代数
235ページなどを参照




・ 教養課程で線形代数の基本的な内容を学ぶための教科書

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著者: 茂木 勇, 横手 一郎
書名 : 基礎 線形代数
136ページなどを参照



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書名 : 線型代数学



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