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入試数学を自由に解く(東大理系2013年前期第1問)
注意事項

このカテゴリ「入試数学」は, 指導要領にとらわれず, 自由に入試数学を解いてみよう
というカテゴリです.
入試で使えるような補足も入れていくつもりです.
高校の課程の範囲で解いたほうが優しい,
そのまま解答として使ったら満点はもらえない可能性が高い,
などの欠点があります.
高校生の範囲で書ける答案は既に世の中に氾濫しているので, そちらを参照してください.

また, この記事の内容を利用したことによる弊害等に対する責任は一切負いません.
無断転載はもちろん禁止です.
間違いやご意見, このカテゴリで取り上げて欲しい問題等がありましたら教えてください.

このサイトの数式は, MathJaxを用いて表示しています.
携帯電話などでの閲覧で, LaTeXのソースの形で表示される場合は,
PCなどを用いて御覧ください.

さて, 本文です.

初めに扱うのは東大理系2013年度前期入試の第1問です.
今回の答案は, 2つとも高校の範囲で書けるかもしれませんが, よく分かりません.
自由に解くのがこのブログのモットーです.

問題(東大理系2013年度前期入試第1問)


実数 $a,b$ に対し, 平面上の点 $P_{n}(x_{n},y_{n})$ を
$(x_{0},y_{0}) = (1,0)$
$(x_{n+1},y_{n+1}) = (ax_{n} - by_{n}, bx_{n} + ay_{n}) \quad n=0,1,2, \dots$
によって定める. このとき, 次の条件(i), (ii)がともに成り立つような $(a,b)$ をすべて求めよ.
(i) $P_{0}=P_{6}$
(ii) $P_{0}, P_{1}, P_{2}, P_{3}, P_{4}, P_{5}$ は相異なる.


解答その1

\begin{equation*}
A :=
\begin{bmatrix}
a & -b \\
b & a
\end{bmatrix}
\end{equation*}
と定義すると,
\begin{equation*}
\begin{bmatrix}
x_{n+1} \\
y_{n+1}
\end{bmatrix}
= A
\begin{bmatrix}
x_{n} \\
y_{n}
\end{bmatrix}
\end{equation*}
である. (i)より $A^{6}=I$ (Iは単位行列) だから,
$(\det (A))^{6} = \det (I) = 1$ である. ここで, $\det$ は行列式である.
一方, $\det (A) = a^{2} + b^{2}$ だから, $a,b$ が実数であることより,
$\det (A) = a^{2}+b^{2}=1$ である.

一方, 再び(i)より $(A^{3}-I)(A^{3}+I) = 0$ なので, (ii)より, $A^{3}+I=0$ である.
よって, $(A+I)(A^{2}-A+I)=0$ なので, 再び(ii)より $A^{2}-A+I=0$ である.

一方, Cayley-Hamiltonの定理より $A^{2} - \mathrm{tr} (A) A + \det (A) I = 0$
なので, 簡単な成分比較により $a=1/2$ がわかる.
$a^{2}+b^{2}=1$だったから, $b=\pm \sqrt{3}/2$ である.

よって, 求めるものは,
\[ (a,b) = \left(\frac{1}{2}, \frac{\sqrt{3}}{2}\right), \left(\frac{1}{2}, -\frac{\sqrt{3}}{2}\right) \]
である.

解答1終わり

注意 : この変換は, 原点を中心とした角度 $\pm \pi /3$ の回転である.

解答2

複素平面を使う.
(注 : 複素平面は新課程で指導要領に復活したらしいです. )
$z_{n} := x_{n}+i y_{n} = r_{n}e^{i\theta_{n}}$ と定義する.
ただし, $r_{n} > 0$, $\theta \in [ 0,2\pi)$ とする.
(注 : 条件(i), (ii)より, $z_{n} \neq 0$ である. )
このとき, $r_{n} = (a^{2}+b^{2})^{n/2}$ なので, $r_{6}=r_{0}$ より $r_{6}=1$ である.
よって, $a,b$ が実数であることより, $a^{2}+b^{2}=1$ だから,
$z_{n} = e^{i\theta_{n}}$ と書ける.
さて, $z_{1} = a+ib$ なので, $a=\cos \theta$, $b = \sin \theta$ なる $\theta \in [0,2\pi)$ が存在する.
この $\theta$ を用いて $z_{1} = e^{i\theta}$ である.
ところで, $\phi \in \mathbb{R}$ に対して,
\[ (a\cos \phi - b \sin \phi ) + i (b\cos \phi + a \sin \phi ) = e^{i(\theta + \phi)} \]
なので,
\[ z_{n} = e^{in\theta} \]
である.
最後に, (i)より $6\theta = 2\pi k$ をみたす $k \in \mathbb{Z}$ が存在するが,
条件(ii)より $k \equiv 1,5 \mod 6$ のみが適する.
よって, $\theta = \pi / 3 , 5\pi / 3$ なので, 求めるものは
\[ (a,b) = \left(\frac{1}{2}, \frac{\sqrt{3}}{2}\right), \left(\frac{1}{2}, -\frac{\sqrt{3}}{2}\right) \]
である.

解答2終わり



単位円周$S^{1}$上に点が6個あり, それらが正六角形を作っている
という様子を頭の中に描くことができますか?
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